もともと、ログハウスを建てようかとお考えだったほど、木の香りのする家を望まれていたご家族。無垢の木材を多用し、仕上げも可能な限り自然素材で仕上げた家だが、工務店と議論を重ね、安価な材料をデザインで美しく見せる工夫をし、ローコストを感じさせない仕上がりとなった。
吹き抜けを介して1階と2階、玄関や和室も含めて家じゅうがワンルームとなる空間構成なので、冬は高い断熱性と気密性を生かした薪ストーブ一つでの暖房を今から楽しみにしている。
また、眺望の得られる敷地故に、バルコニーをできる限り張りだして作っているが、前面道路側には植栽をふんだんに配したため、数年のうちには、木々が目隠しとなって道路からの視線をさえぎり、室内からは林に囲まれた安らぎを得られるだろう。既に今でさえ、施主はそのように感じられるということなので、先はますます楽しみである。
写真撮影/平野和司氏