●家造り日記(3)「着工から竣工、引っ越しまで」
<解体前の引っ越し>
S工務店との契約も無事終わり9月から着工となりました。
8月25日からの解体に向けて、家の中を空にしなくてはいけません。今の家を離れて、
仮住まいを嫌がった母に、S工務店さんは工事を分割する方法を快く引き受けていただきました。
1,2階と3階を分けて工事を行うことで、母が仮住まいしなくてもよくなりました。まずは3階に住み、1階が出来上がった時点で移るのです。
まずは、1階から3階までの荷物を整理し3階に移します。その際の引っ越しや、不要な物の処分をすべてS工務店の社員さんが手伝ってくれました。これには、今でもなんとお礼を言っていいのかわからないほどの感謝の気持ちです。それに加えて、部屋に入りきらなくてどうしようもない家具は、S工務店さんに預かってもらうことにもなりました。
引っ越しの日は、とてもとても暑い日でした。みんな汗だくでした。
S工務店さんの協力がなくては、この引っ越しは、乗り越えられませんでした。
Sさん、Gさん、Nさん本当にありがとうございました。手際が良いだけでなく、皆さん仲が良いのです。
どんな重い荷物でも嫌な顔一つ見せず、黙々と手伝っていただきました。
この日で私は、S工務店さんにお願いしたことは間違いないと確信したのでした。
<着工から竣工>
改修工事なので図面通りにはいかず、現場で次々と変更が出てきた時も、問題をその場その場で的確にクリアしてくのは、S工務店のみなさんも想像できないほど大変なことだったでしょう。
そこから4か月、あっという間に時間が経ちましたが、その間、私たちも遊んでいたわけではありません。
・ ミストサウナの検討
・ 照明器具(施主持ち込み分)の検討
・ 玄関ドアの決定
・ 家電の買い揃え
・ セントラル浄水器の検討
・ ベッドの購入
(それに伴って久米様にお願いしてベッドボードを作っていただきました。)
これらのことに週末のすべての時間を使いました。
工事の間、棟梁は朝一番に現場に入り、掃除をしてから仕事に入られていました。朴訥な人柄ですがブラックなジョークを時々行っては現場を和ませます。
<新居への引越し>
そうこうして、何とか1月15日、引っ越しをすることができました。引っ越してからそろそろ1か月が経とうとしています。
この家の感想
・ 戸建てとは思えない暖かさ
・ 久米先生と熟慮に熟慮を重ねた家事動線は、大成功
・ 無垢の床は想像以上にきれいで大切にしたい
・ 階段は全て先生の頭の中で完成されたもので私たちには、出来上がるまで全然想像
できなかったが、素晴らしく、この家の最大のオブジェになった。
・ 内玄関の収納はとても快適
・ キッチン横の収納について、これは現場で変更されました。これはもう、言葉にで
きないほど素敵な仕上がり。
・ ピアノの響きがとてもきれい(今までも12畳ほどの部屋にありましたが新しい
この家のリビングに置くことで音色が穏やか、かつ透き通る響きに。)
・ 寝室は、天井に木を貼ってもらい、ベッドボードも作って最高の部屋。リビングの
雰囲気とはがらりと変わり、とてもナチュラルでこれもまた大好きな部屋に。
家を造るには、自分だけの力だけでは、絶対良いものはできません。
取り留めもない私の提案をまとめ、なおかつ素晴らしいデザインを生み出してくれた久米先生、S工務店会長の住む側から考えた豊かな知恵、久米先生のデザインを現実にしてくれた大工さんたち、この3階建ての家を一人で全て配線工事してくれた電気屋さん、引っ越し前の自宅にも快く用事に来ていただいた水道屋さん、外壁の色が決まらない私を我慢強く待っていただいた塗装屋さん、アプローチのコンクリートを見事な格子柄に細工してくれたコンクリート屋さん等々、数知れない方々の熱意で出来上がっていきました。
作業を進める間、皆さん本当に仲が良いのです。職種は違っても、和気あいあいとしたその雰囲気が、良い仕事をされる理由だと勝手に思っています。
この家は、久米先生、S工務店のみなさん、我々が一体となって完成した家です。
約1年半もの月日をかけて我々に誠意をもって接していただいた久米先生、本当にありがとうございました。先生の小さなことでも手を抜かない配慮がここまで素晴らしい家を完成させたのだと思います。そして先生に出会えたことは私にとっての宝物です。
また、S工務店のみなさんには、とてもとてもお世話になりました。S工務店でないと私たちは家を建てられなかったでしょう。それに家に対する愛情はS会長に教わったように思います。
さてこれからどうしましょう。
やり終えた達成感を今、洗濯室(兼私の書斎)の洗濯物の下で感じています。
まずはカーテン、リビングに敷くラグ、リビングがもっと素敵に見える絵、植栽の準備。
先生やS工務店の皆さんがこの家の基盤を作ってくれました。これからは私たちがその家をもっと素敵にするように、皆さんが「家造り」に情熱をかたむけるように、手を抜かず、考えていきたいと思います。
久米から一言…
2014年末にようやく完成…その後も少し手直しなどでご不便をおかけしましたが、ようやく落ち着かれたことと思います。長い間ご辛抱いただき、有難うございました。
家つくりは本当にやってみないとその大変さはわからないことと思います。建築主さんのお気持ちは、工事が始まってお引っ越しが終わるまで、休まるところはありません。それはどの現場でも同じですが、関係者がひとつにまとまって信頼関係をよい状態で持ち続けること、そのためにコミュニケーションを常に良好に保っておくこと、が少しでも建築主さんの不安な気持ちを和らげることになると思います。
昔、まだ私が学生だった頃、どこかの建築家が、「住宅をやるならば、建築主と親せきになってもいいと思えるくらいでないと、なかなかつとまらない」と言っていたのを記憶しています。家つくりのご相談を受けるということは、それくらい密な間柄になるほど、コミュニケーションをとらねばならないということだと思います。
今後、建築家を選んで家つくりをされようという方々は、そうしたことも考慮に入れられて、お話をしていて相性が良いかどうかも、検討されるほうが良いでしょう。
Y子さんは本当にかわいらしい奥様で、お話ししていていつも楽しい方でした。いつも、一生懸命私たちを信頼してくださって、そのご努力に心から御礼申し上げます。それゆえでこそ、出来上がったお家だと思います。
どうぞいつまでも、楽しく暮らしていただけますように!