家づくり記録 Hさん

第七回

 

  現場ではS工務店棟梁のGさんを中心に、朝早くから大工仕事を丁寧に行って頂いており徐々に家らしくなってきました。恒例となった週末毎の現場見学も、Gさんに詳しい説明を聞くことができ、いつも楽しみながら進捗状況を拝見させて頂いております。上棟式では柱だけだった「我が家」も、今では断熱の壁に覆われ、家らしくなってきました。

 

 その様な日々の中で、ちょっとしたハプニングが起きました。2階の南側の大窓(この窓が我が家の見せ所の一つです)につき、当初の計画以外の窓が据え付けられたということで久米さんから連絡が入りました。窓を取り扱う業者の方が誤って取り付けたらしいのです。

 

当初の計画では通風を考え、窓の端っこに通風用小窓をつける仕様にしていましたが、現場では大きなFIX窓が入っているとのこと。間違って入っている窓もとても綺麗なので一度見てから判断してみてはと、久米さんとS工務店現場監督Tさんから提案がありました。

 当日を楽しみに、そのFIX窓を見ると、窓を通して見える景色が一枚の大きな風景画のように感じ、一度見てから判断してみてはとの意図がよく理解できました。結果は勿論、そのままFIX窓でお願いすることになりました。その他の窓も全て取り付けられ、ユニットバスも設置され徐々に家らしくなってきました。

 

 このころは、棟梁のGさんが一人もくもくと大工仕事をこなされていました。電気工事も始まり、家じゅうコードが張り巡らされ、いずれは壁の向こうに隠れて見えなくなる部分も確認することができました。そのコードの多さと、一本一本油性マジックで使用目的が記されているのを見るのも面白いものでした。

 

 工事も2階部分から進んでおり、壁も断熱材の上にグレーの板が張られ「すっぽり断熱」がついに見えなくなりました。床の杉材のフローリングも施工されました。現場で孤軍奮闘のGさんは、久米さんが描いた設計図とにらめっこしながら、難しいと口癖のように仰っていました。やはり久米さんの設計図は一般の住宅より施工が難しいとのことで、大工さんには大変ですが、施主としてはちょっと嬉しいような・・・

 

 

 又、変更した事項がもう一つ、開放的な浴室にするため、窓を大きくとり、その外側にガラリで目隠しをする計画でしたが、ガラリでは目隠しが不十分であることが分かったため、外側から窓をすっぽり覆う通風可能なすりガラスのような仕様のものを取り付けることにしました。いろんなものがあるものだとつくづく感心させられます。

 

 

 あと、大きな変更点は太陽光発電の設置です。設計の段階で将来太陽光パネルを設置することも想定し構造計算も一度やり直して頂いていました。もともと太陽光に関心が強かったことと、オール電化住宅仕様としていましたので、その効果も期待し、イニシャルコストとランニングコストの比較検討を行い、新築時であれば施工もしっかりとS工務店に行って頂けることと、何よりも久米さんの意見が伺えるので、思い切って設置に踏みきりました。

 

 

 その他に、こだわりの話をさせて頂くと薪ストーブです。

 設計計画時から薪ストーブを設置することは織り込み済みで、比較的現場に近いショップで一切をお願いする予定でしたが、なかなか話が前に進みません。機種の選定もままならない中、思い切ってショップそのものを変えることにしました。

 変更後のショップではトントン拍子で機種も決定し、煙突の施工についても久米さんの質問に的確に回答してくれるという信頼性と、何よりもショップの場所が現場から一番近いことが決め手になりました。こうして薪ストーブも理想の機種としっかりとした施工ができる運びとなりました。

 

 

 未だ、現場は足場が組まれシートに覆われていますが、遂に外壁の取り付けも開始されました。屋根工事も順調に進行中です。大工仕事についても急ピッチで進んでおり階段も取り付けらました。

 3月7日には待ちに待ったキッチンが取り付けられることになり、妻は大喜びです。今から早く見て触りたいと憧れのキッチンに期待を膨らませています。

 

 

 上棟式が11月でしたので、およそ4ヶ月が経過しました。特にここ1ヶ月はあっという間に過ぎ去ったように感じます。あともうひと踏ん張りのところまでやってきました。

 

 

 久米さん始め、S工務店の皆様、又、工事に携わって頂きました皆様のお力添えで、順調に工事が進んでいることに感謝致します。 次回は、いよいよ竣工を迎えた感想をご報告したいと思います。

 

久米からひとこと…


工事監理は、この頃が一番忙しくなります。

上棟までは基礎も含めて構造の工事監理が殆どで、

しかも現場のみならず、施工図によるテーブルでの打ち合わせも多くなりますが、

この頃は、とにかく現場!

現場に行って現場の進捗にあわせて、設計とおりにうまく納まるかどうか、のチェックや

設計図に表現仕切れなかった点、また

現場のほうから指摘・提案される事項についての打ち合わせなどが続きます。

木造の住宅は進みが速いので

週に何度も現場へ出向くことになります。

夜ふとんに入ってから

「あ・・・」と

思って、翌朝現場へ向かうことも(笑)

 

しかし、そうは言いながらも、

工事監理が終わっていくのもなんだか寂しい感じ(笑)

とにかく、もうすぐ完成です!



 

- GekkanNZ 誌 2018年7月号より
  「建築探訪」連載中です。

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- 一般社団法人海外建設協会(OCAJI)

  会報誌 海外生活だより に寄稿させ

  ていただきました。

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