家づくり記録 Tさん

NO.10

 

 短い夏を終え、秋も過ぎ去り冬がやってきました。
 工事も概ね順調に経過。 たまに日曜日に現場を覗き、少しずつ出来上がっていく様を楽しむ日々が過ぎていきました。
   
 しかし当然平穏無事に行くとタカをくくっていたのですが、なかなかそうはいかないものです。秋頃に問題が持ち上がりました。
     
 家の前の道路の掘削。
   
 我が家は位置指定道路に面しているのですが、掘削する前にこの道路に登記されている人から掘削同意書をサインをもらわねばならない、との事。 そしてまたややこしいことに、この道路は複数の方々がそれぞれ分散所有しているらしい。 こら困ったわい、と。
 ですが久米さん・シモダさんのご尽力のおかげで、その同意書の件もなんとかカタが付きました。 色々と調査/調整をいただき大変助かりました。
   
 問題が起きることもあれば、良いことが起きることもあります。
 今回の家は階段が外から見える、というか中空になるような設計になっています。 そして階段下のスペースは駐車場の空間の一部。 駐車場にいると階段を下から見上げれるような感じです。で、(言葉で表現するのが難しいのですが、)階段のソコ板、つまり斜めになる部分には、当初は普通のガラスで計画を進めていたのですが、何かの拍子で割れる危険性もあることから強化ガラスに変更いただくことになりました。
 予算がないことは以前から再三伝えており、追加費用ナシで交換頂くことに。 なんとウレシイことよ。
 この場を借りて御礼申し上げます。 助かりました。



 さて工事の進捗ですが、全体工程表を見てもどうも順調に進んでいるようには思えず「引き渡し、大丈夫か?」と不安になる場面もありましたが、外壁も出来つつあり、なにより「間に合いますよ」とのシモダさんからのお言葉。 私一人が心配したところで家が建つわけでも無し、まぁなんとかなるやろ、くらいの気持ちで行くことにしました。
   
   
 さて、竣工が近付くにつれ、そろそろ新居に移った後のことを考える時期になってきました。新しい家での生活を考えるとこれが実に楽しみ。
 昔からの夢(というと大げさですが)大画面TVで映画でも見ながらヨメと二人で酒飲みながらまったり過ごすことを実現しようと。
 我が家は未だにブラウン管なのです。 洗濯機も10年選手(もうすぐ結婚10周年!)
 ですし、エアコンも買わねばならん。 これら新しい家電を買い揃えるため、機種やメーカー、価格の下調べに没頭する毎日が過ぎて行きました。
   
 工事期間中に、上水道のさや管ヘッダ追加・水道/ガス管工事の追加と費用がかさんでおり、実は予算的に厳しくなってきていました。 (元々ある程度織り込んではいたのですが・・・。) 厳しくなりはしましたが、やっぱり買いたいものは買いたい。
 買わねばならんものもある。 ということで冬商戦にまとめて買うぞと狙いを定め、何を買うかリサーチ、家電量販店での価格調べを開始。
    
 あー、楽しい。 すっごい楽しい。 こんなん大好き。
    
 そうこうしている間、仕事で中国に商談に行く機会がありました。
 中国での商談ですが、あちらの人は交渉上手。 かなり揉まれます。
 仕事の方は未だに決着つかずに継続中なのですが、交渉・駆け引きの経験値はこうやって徐々に身に着くのでしょう。
    
 さて、その後、冬商戦の時期に家電量販店突撃。 色々交渉しましたがチビもまだ幼く色々連れ回すとむずがるのでやむなく適当なところで手を打ちました。 まぁ当初狙ってたものは大体予算内で抑えられたので、今回はこれで良しとします。
   
 次は引越し。 こちらも当初の予算内での見積を得られ、スムーズに決着。
 仮住まい移動時の引越し業者に今回も依頼したので、段取りや担当者の見込みもある程度計算が立つためひとまず安心。 引越し用の段ボールが家の中に運ばれてくると、いよいよ新居への移動が現実味を帯びてきました。
    
 街は年末を控えて電飾がきらびやかです。
 そして引き渡しはちょうどクリスマスの時期。
   
 竣工が楽しみです。

 

久米から一言… 

 

実際に工事が始まると色々なことが起きるものです。

でも、建築工事そのものについては、工務店さんにはとてもよくしていただいたので、工程は少し予定より遅れましたが、比較的にスムーズに行ったほうだったと思います。

 

現在、引渡しまであと10日あまり…

現場は必死の形相となっておりますが、大丈夫、Tさんには楽しいクリスマスとお正月を迎えてもらえそうです。 Tさんも、現在大変に慌しいなかでの家つくり記録、頑張って書いてくださって、ありがとうございました。

 

尚、Tさんの文中、「階段底の硝子の変更に追加無し」とありますが、この件は私のほうで色々調整をしたのでそうできただけで、単にサービスということではありません。(そういうことはきちんと見積もりして貰っている現場では、まずありえないことです。)

読まれた方は誤解しないでおいてくださいね。 

 

- GekkanNZ 誌 2018年7月号より
  「建築探訪」連載中です。

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- 一般社団法人海外建設協会(OCAJI)

  会報誌 海外生活だより に寄稿させ

  ていただきました。

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